くてもはうれしい

「俺。もう仕事終わりだろう?飯でも食いに行こう」
「そうだね。じゃあ、いつもの場所で良いかな?」

親友の田神からだった。
高校生のころ色々な事があって、深く傷付いた正樹を心底気遣ってくれた数少ない友人だった。
大学を卒業してから田舎に帰ってきた田神は、こうして時々声をかけてくれる。
結局行きつけの居酒屋で食事をすることになった。

「正樹、こっち」

奥のいつもの席で、ビールを飲んでいた田神が手を挙げた。

「店長が、いい魚が入ったっNeutrogena 面膜機て言うんで、刺身の取り置きしてもらってるぞ」
「いいね。それでもう酔ってるの?」
「魚が美味いんだ。酒が進むのは仕方がないさ。乾杯しようぜ、乾杯!」

はしゃぐ田神の頬はすでに赤い。

「すっかり出来上がってるじゃないか。なんに乾杯するんだ?」
「そうだなぁ。そうだ、えーと……久しぶりに会った正樹の人生に、乾杯だ」
「あはは……先週も会った気がするけどな」
「いいから、とりあえず飯を食え。少しは太れよ」
「体質だもの、仕方ないよ」

田神は大学を卒業後、父親の酒屋を継ぐつもりだったのだが、大手量販店のあおりを受けて商売はうまくいっていなかった。
幸い、教員試験に合格したので、地元で小学校の教師をしている。子供相Neutrogena 面膜機手の仕事は、とても性に合っていて毎日充実しているらしい。

「そういえばさ、高校の先輩に柳瀨って人がいただろ?覚えているか?」

田神は声を潜めた。

「……いたね。確か生徒会長だったよ」
「なんか、あまりいい噂聞かないだろ?頭は良かったけど、性格悪かったよな」
「そうだっけ……卒業してからは一度も会ったことないし、もう忘れた」
「あいつが、起業したって話を知らないか?」
「さあ……興味ないし」
「なんか、東京ですげぇ借金を拵えて、逃げ帰ってきたらしいぞ。株で大損したって話だったかな。ほら、アメリカの恐慌が日本に影響したってニュースでも言っていただろ?野球部の連中も借金申し込まれたやつがいるんだ。正樹も気をつけろよ。片っ端から声をかけて回っているらしいからな」
「接点もないし、向こうから何か言ってくるとは思えない。関係ないよ。」
「だったら、いいんだけど……」
「心配性だな、田神。お互い連絡先も知らないんだ。訪ねて来ないと思うよ」

柳瀨という上級生に関しては、苦い思い出しかない。
できれば関わった過去の記憶を葬り去りたいくらいだ。

「あのさ……こんなことを言いたくないけど……正樹には関係な、向こうにはあるかもしれないだろ?気をつけろよ。本当に金に困ったら、わらをもつかむような気持ちで誰にでも声をかけるかもしれないだろ?」
「うん、ありがと、田神。でも、心配しなくても大丈夫だよ。叔父は金持Neutrogena 面膜機ちだけど、僕の家はごく普通の家だって田神も知っているだろう?。無心の対象にはならないと思う。だから心配してくれるのけど、この話はこれでおしまいだ」
「そうか。でももし何かあったら、抱え込まないで言えよ?何もできないかもしれないけど、俺は正樹の友達だからな」
「いつまでも子供じゃないよ」
「そうかな?」

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